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今夜の番組チェック



文:フウマオウキ
絵:戌井遊喜


 一日が終わる。
 宵闇が街に帷を下ろす頃、なのはは自室ヘと戻ってきた。
 「よいしょっ……と」
 音を立てないよう、こっそりと窓を開け、身体を滑り込ませる。
 ジュエルシード事件が終わり、二ヶ月。なのははユーノの指導のもと、朝夕と家族には内緒で魔法の訓練をしている。朝はともかく、夜間の外出は許されていないため、夜の特訓は窓から抜け出して行っていた。
 部屋に入ったなのははバリアジャケットを解除し、レイジングハートを待機状態に戻す。なのはの手の中で、魔法の杖は真紅の宝玉へと姿を変えた。
 「レイジングハート、今日もありがと」
 レイジングハートはなにも言わず、一度だけ光ってみせる。なのはは一度微笑んでから、宝玉を机の上に置いた。
 なのはの肩に乗っていたユーノは机に降り立った。
 「なのは、おつかれさま」
 「ユーノくんも、おつかれさま。今日は……どうだったかなぁ?」
 なのはは今晩の訓練の成果を訪ねながらタンスのほうへと歩いていく。特訓の後は入浴、就寝。これが最近のなのはの日課だった。なのははタンスから下着とパジャマを取り出す。
 「やっぱりまだシューターの数を増やすと安定しなくなるね」
 なのはは溜息混じりに肩を落とす。最近なのはが集中的に練習しているのは魔力の精密コントロールだ。ディバインシューター数個を同時に追尾弾としてコントロールする。なのはの戦術を組み立てる上で、牽制の役割をもつそれは重要な位置を占めていた。
 「うー……何個も誘導するのって苦手ー。一個ならそれなりにできるんだけど……」
 「だんだん慣れていくと思うから、がんばろ?」
 「はーい。がんばりまーす」
 と、階下から声がなのはの部屋へと届いた。
 「なのはー? お風呂開いたよー?」
 姉の美由希だ。お風呂好きを公言する美由希は入浴が長い。
 「はーい。今はいりまーす!」
 なのはは返事をし、ユーノを抱き上げた。
 「もうちょっと遅かったらバレちゃってたね」
 ユーノに悪戯っぽく笑いかけ、なのはは浴室へと向かった。
 水音がタイルを打つ。薄い霞のような湯気がもうもうと立ち上り、浴室を満たしていく。
 そんな浴室の中を鼻歌が流れていた。なのはが機嫌よさそうにメロディを奏でながら身体を洗う。なのはのなめらかな肌を白い泡が覆い隠していく。
 そんななのはに背を向けるようにして、ユーノは湯に浸かっていた。湯船に浮かぶ桶の中にお湯を入れ、ユーノ専用の浴槽としてた。もう幾度となくなのはと入浴を共にしてきたユーノであったが、毎度毎度律儀になのはの身体を見ないように心がけていた。
 「ねぇ、ユーノくん?」
 「なに? なのは」
 背中合わせの会話も慣れたものだった。シャワーの音が変わり、ユーノはなのはが身体の泡を落としているのだと気がつく。見えていないからこそ、音に敏感になってしまう。
 ユーノはゴクリと唾を呑んだ。
 ワシワシという音はなのはが髪を洗っている音。
 ときおり滴る水音はなのはの髪から垂れる水。
 ユーノはその音に振り向きたくなる衝動に駆られる。ちょっとくらいならいいじゃないか。心にそんな魔が差す。しかし、ユーノは一度頭を左右に振り、ぶくぶくと顔を湯に沈めた。
 「なのはは全然気にしてないみたいだけど……ボクは男で、なのはは女の子なわけで……」
 ユーノは自分に言い聞かせるように呟く。
 「ユーノくん、今何か言った?」
 シャンプーを落としたなのはが振り向いた。ユーノも反射的に振り向き、
 「あ、いやなんでもな――」
 言葉を失った。顔がゆだつような、頭に血が上るような感覚に襲われる。のぼせたようにクラッとして、ユーノはそのままなのはの身体を視線から隠すように桶の中に身を沈めた。
 「い、いや、なんでもないよっ!」
 「そう? あ、そうだ」
 「え? わっ……」
 なのはは桶の中を覗きこみ、ユーノを両手で抱き上げた。ユーノはなのはの顔を見つめるように努める。下を見ちゃいけない。なのははタオルすら巻いてないのだから。ユーノの心臓はものすごい勢いで音を立てていた。
 「な、なに? なのは?」
 「んーと。毎日先生をしてもらってるお礼に、ユーノくんの背中流してあげようかなって」
 「へ?」
 ユーノは何を言われたのかわからずに、ぽかんと口を開けた。
 (今、なのははなんて……?)
 頭の中でなのはの言葉を何度も反芻する。
 「あの……なのは?」
 「ユーノくん、そういうのイヤ?」
 「そんな、イヤなんてわけないけど……」
 思わず本音がこぼれてしまったことをユーノはすぐに後悔した。
 「じゃあ、きまりっ! ユーノくん変身といて?」
 なのははにっこりと笑うとしゃがみ込み、ユーノを浴室の床に下ろした。
 「えっと……その、あの……」
 「ほら、はやくはやく♪」
 どうやったらこの状況を脱することができるか。足元のタイルとにらめっこをしても、答えは一向にでてこなかった。しばらく悩んだ末――ユーノはかくんと首を落とした。

「な、なのは……ちょっと、そのカラダくっつけすぎじゃあ……」
「えー? ちょっとくらいいいじゃないー? ……アレ? なんだろこれ?」
「ちょっ!! なのは!! それは――はぅっ!!」
「なんかかたいー……?(ぐるぐる回してみる)」

……ボキッ
「あ”――」

40000HITリクエスト
 魔法少女リリカルなのは第XX話「壊れたアレと現在となの?」より抜粋(ぇ


〜 あとがき 〜
■フウマオウキ(文)
岩とかげさんよりリクエスト「なのはとユーノのちょっとえっちなの」でした(ぇ
……これってエッチじゃないジャン!? とか言われるとなんともいえないのですが!

どないでしょう?
このタイプ評判がよければまたやってみようカナとか考えてます。
感想はWEB拍手にでも!
それでは岩とかげさん、リクエストどうもありがとうございました!!

■戌井遊喜(絵)
最初SS読んだときは「ユーノの正体ばれてるのに一緒にお風呂って!?」
とか思ったんですが、漫画の方でちゃっかり一緒に入ってたんですね。

意識されなさすぎのユーノ君が大好きでノリノリで描かせてもらいましたw


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